財政用語の解説

公開日 2023年08月10日

財政用語は専門的で複雑なものが多いため、代表的な財政用語について解説しています。

財政全般に関する用語

・予算
 一定期間における収入と支出の見積をいいます。地方公共団体の場合、各種の行政サービスを計画的に行うために、毎年4月から翌年の3月末までを1年度とし、この間における収入と支出がどれくらいあるかなどを見積もったものです。

・当初予算

 年度開始前に一会計年度の年間予算として当初に成立した予算をいいます。基本的にはこの予算をもとに各事業が実施されます。地方公共団体の長が調製し、議会へ提出されたのち、議会の議決を経て成立します。

 

・補正予算

 予算の調製後に生じた事由に基づいて、既定の予算に追加、その他の変更を加える必要が生じたときに調製される予算をいいます。当初予算と同様に、議会の議決を経て成立します。

 

・一般会計

 行政運営の基本的な経費を網羅した地方公共団体の基本となる会計です。一般会計は、特別会計で計上される以外の全ての経理を処理しなければならないとされています。

 

・特別会計

 地方公共団体が特定の事業を行う場合に、特定の歳入歳出を一般の歳入歳出と区分して収支経理を行う会計で、法律又は条令により定められたものです。

 

・企業会計

 当該事業を行うことによって得られる収入で当該事業の経費をまかなっていく、独立採算を原則とした会計をいいます。

 

・普通会計

 決算統計上の会計区分をいいます。個々の地方公共団体の各会計の範囲が異なっているため、財政比較や統一的な掌握のため、全国的に共通な基準で区分しなおした会計の概念です。

 

・公営事業会計

 決済統計上における会計区分です。この会計区分を用い、地方公共団体を普通会計と公営事業会計に大別しています。

 

・決算

 一定期間における収入と支出の総実績を明らかにすることをいいます。

 

・決算統計

 総務省が実施する地方公共団体の決算に関する統計で、正式には「地方財政状況調査」といいます。予算の執行を通じて、地方公共団体がどのように行政運営を行なったかをみるための基礎となるものであり、地方財政全体の毎年度の執行結果を表すものとして、地方財政関係統計のなかでも最も基本的かつ重要な統計の1つです。

歳入に関する用語

・形式収支

 歳入総額と歳出総額の差額で、出納閉鎖期日現在における当該年度中に収入された現金と支出された現金の差額を表したものです。

 

・実質収支

 決算の歳入歳出の単純な差額である形式収支から、翌年度へ繰り越すべき財源を差し引いた実質的な決算です。地方公共団体の黒字赤字は、この数値により判断されます。

 

・単年度収支

 当該年度の実質収支から前年度の実質収支を引いた額です。当該年度のみの実質的な収入と支出の差額を意味するものです。

 

・実質単年度収支

 単年度収支に含まれている実質的な黒字要素(積立金や繰上償還金)や赤字要素(基金取崩額)を除いたものです。単年度収支は黒字でも、実質単年度収支が赤字なら、それは基金の取り崩しなどにより資金をやりくりしていることになります。


・財政力指数

 地方公共団体の財政基盤の強さを表す指標で、基準財政収入額を基準財政需要額で除して得た数値の過去3年間の平均値により求めます。財政力指数が1に近いほど自主財源の割合が高く、財政力が強いことになります。財政力指数が1を超えると、自立して財政運営を行えるとなり、普通交付税は交付されません。

 

・標準財政規模

 地方公共団体の標準的な状態で収入されるであろう経常一般財源(毎年度継続的に収入される使途が特定されない収入)の規模を示すものです。

 

・実質収支比率

 実質収支の標準財政規模に対する割合です。標準財政規模の3~5%程度が望ましいとされています。

 

・経常収支比率

 財政構造の弾力性を表す指標です。人件費、扶助費、公債費のように毎年度経常的に支出される経費に、地方税、普通交付税のように毎年度経常的に収入される一般財源がどの程度使われているかを示します。この比率が低いほど財政運営に弾力性があり、政策に使えるお金に余裕があることになります。

 

・公債費負担比率

 公債費による財政負担の度合いを示す指標で、低いほど財政運用に弾力性があり、政策的に使えるお金に余裕があることになります。目安として、15%が警戒ライン、20%が危険ラインとされています。

 

・公債費比率

 財政構造の弾力性を判断するための指標の1つで、一般財源のうち公債費に割り当てられた額の標準財政規模に占める割合です。この数値が高いほど、財政構造の硬直性の高まりを示しています。

 

・実質赤字比率

 財政健全化法に定められた指標の1つで、一般会計の赤字の程度を指標化し、財政運営の深刻度を示すものです。

 

・連結実質赤字比率

 財政健全化法に定められた指標の1つで、全ての会計の赤字や黒字を合算し、地方公共団体全体としての赤字の程度を指標化し、財政運営の深刻度を示すものです。

 

・実質公債費比率

 財政健全化法に定められた指標の1つで、一般会計が負担する実質的な公債費相当額の標準財政規模に占める割合で過去3年間の平均値を示したものです。

 

・将来負担比率

 財政健全化法に定められた指標の1つで、一般会計が将来的に負担すべき実質的な負債の程度を指標化し、将来財政を圧迫する可能性が高いかどうかを示すものです。

 

・健全化判断比率

財政健全化法で定められた「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」、「実質公債費比率」及び「将来負担比率」の4つの財政指標の総称です。地方公共団体の財政状況を明らかにする統一的な指標であり、4つのうちいずれかが財政健全化基準以上となった場合は、早期健全化のための計画を定めて、健全化に取り組まなければなりません。

 

・資金不足比率

 公営企業ごとの資金不足を、公営企業の事業規模である料金収入の規模と比較して指標化して、経営状況の深刻度を表します。この比率が高くなるほど、料金収入で資金不足を解消することが難しくなります。

 

地方交付税に関する用語

・地方交付税

  国税(所得税、法人税、酒税、消費税)の一定割合及び地方法人税を基本に、地方公共団体間の財源の偏在を調整し、地域にかかわらず一定水準の行政サービスを提供できるようにするために国から交付されるものをいいます。財源不足団体に交付される普通交付税と普通交付税では補捉されない特別の財政需要に対し交付される特別交付税とに区分されています。

 

・普通交付税

 一定の行政サービス(消防、社会福祉、小中学校、保健衛生など)を提供するための経費(基準財政需要額)に対して、標準的な地方税収入の一定割合(基準財政収入額)が不足する地方公共団体に当該不足分が交付されるものです。

 

・特別交付税

 災害等のための特別な財政需要や、基準財政需要額に捕捉されなかった特別の財政需要(有害鳥獣駆除、除雪経費など)に対して交付されるものです。

 

・基準財政収入額

 普通交付税の算定基礎となるもので、各地方公共団体の財政力を合理的に測定するために、標準的な状態において徴収が見込まれる税収入を一定の方法によって合理的に算定した額のことです。

 

・基準財政需要額

 普通交付税の算定基礎となるもので、各地方公共団体が合理的、かつ、妥当な水準の財政需要を一定の方法によって合理的に算定した額のことです。

 

・標準税収入額等

 標準税率により算定した地方税、地方特例交付金、利子割交付金などの税交付金、地方譲与税、交通安全対策特別交付金などの収入見込額の合計額です。

 

お問い合わせ

総務部企画財政課
TEL:0584-32-1102